羽生結弦が「今日の僕のステップどうでした?」と逆質問した心理 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 五輪王者であるからこそ、今シーズンはさらに進化する姿を見せたいと心に決めて臨んだ羽生。その目論見は、GPシリーズ初戦・中国大会でのアクシデントや、年末の手術などの影響で、思うように実現できないでいた。だからこそ、完璧な演技をしてシーズンを終えたいという思いを持ってこの国別対抗戦に出場した。

「今回のSPは、気合いが入っていたのか、吹っ切れていたのかはわからないですけど、自分の中にはみなさんが思うほど『追いかける立場になった』という感覚はなくて、ただひたすら、世界選手権で負けた悔しさがあったのかなと思います。いちばん悔しかったのは間違いなく(4回転ジャンプをミスした世界選手権の)フリーなので、その悔しさを明日ぶつけたいと思います」

 今回、他の日本勢は男子の無良崇人が4位に食い込み、女子は村上佳菜子が5位で宮原知子が6位と、日本は総合でアメリカに次ぐ2位につけている。

 優勝のためには、エースである羽生の活躍が欠かせない。シーズン最後となる羽生の演技から目が離せない。
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