村上佳菜子も苦しめた。フィギュア・ルール変更の影響 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  photo by Dave Carmichael/AFLO

 このルールについては、あまりにもルール違反のペナルティが酷だという意見が出ており、来季からは、連続ジャンプ全体ではなく、該当する3つ目のジャンプの点数のみが無得点になるという再度のルール変更が議論されているという。
 
 ジャンプではさらに厳しいルール変更があった。ルッツとフリップのエッジエラーの厳格化が図られたのだ。アウトサイドエッジを使って踏み切るルッツとインサイドエッジを使って踏み切るフリップを跳び分けることは、技術的には非常に難しいとされている。

「ジャンプの種類として厳然と区別されているのですから、できる選手とできない選手で得点差をつけることはよりフェアな判定につながります。明確なエッジエラーとしてeマークがついた時には完全な減点対象になりますね。基礎点が70パーセントになり、なおかつGOEでも減点になる。ルッツの難しさはリバース(逆回転)の動作なわけです。だから難しい。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を除けば、ジャンプの種類の中で一番難しいのはルッツなんです」(杉田氏)

 ルッツジャンプは得点源として重要なジャンプだが、今シーズンは、逆に跳ばないほうがいいリスクが大きいジャンプとなった。基礎点が高いにもかかわらず、eマークがつけば二重減点になるので高得点どころか全体的な印象も悪くなってマイナスに働くからだ。実際、ルッツジャンプを修正できない選手はプログラムから外すケースが相次いだ。その一方、「最近の米国選手の中には、完全にアウトサイドで跳んでいますよという踏み切り方でルッツジャンプを跳ぶ選手が増えていますね」(杉田氏)という動きもあるという。

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