村上佳菜子も苦しめた。フィギュア・ルール変更の影響 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  photo by Dave Carmichael/AFLO

 今シーズン最大のルール変更と言えるのは、これまで制限のなかった2回転ジャンプで、同じ種類のジャンプがそれぞれ2度までしか跳べなくなったことだろう。これは連続ジャンプにおいて大きな影響が出た。男子では4回転+3回転と3回転+3回転が主流になってきたが、女子は3回転+3回転よりもまだ3回転+2回転が主流だ。それだけに女子では、連続ジャンプの2つ目のジャンプの種類に制限が加わると、組み立てが難しくなる。

 例えば単独ジャンプで跳ぶはずだった3回転ループが2回転になってしまい、その後で予定していた連続ジャンプで2回転ループを2度跳んでしまうと、その連続ジャンプの点数が規定回数を超えたというルール違反(プログラム全体でみると2回転ループを3度跳んだことになる)で0点になってしまう。実際にNHK杯のフリーでは、村上佳菜子が前半に2回転ループを跳び、後半に跳んだ3回転サルコウ+2回転ループ+2回転ループの3連続ジャンプが違反となって0点とされ、技術点の得点が伸びずに7位に終わっている。村上以外にも同じようなケースは起きていた。

「このルールは非常に厳しい部分がありますよね。3回転をやるつもりが2回転になってしまったときに、それに対応する練習をしている選手とそうでない選手がいました。特にパニック状態になったりすると、連続ジャンプの3回転+3回転が2回転になってしまい、結局同じジャンプを3回やってしまうというケースが結構見られました。しかもだいたいそれが連続ジャンプなので得点への影響が大きいわけです。中には3連続ジャンプをやって、その点数がそっくりなくなっちゃうこともある。それがいいジャンプだったりしたら、10点くらいがなくなってしまいます。選手にとってはすごく影響が大きいですね」(杉田氏)

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