羽生結弦語録。フィギュア世界選手権で語っていた本心とは? (3ページ目)

  • 辛仁夏●取材・文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

■「自分を褒めてあげたい」

 迎えたフリー。最終グループ3番目の滑走だった羽生は、冒頭の4回転サルコーが2回転になり、4回転トーループは転倒。それでも、ここから崩れないのが五輪王者たる羽生の強さだ。トリプルアクセルの連続ジャンプを2度完璧に成功させて、情感のこもった演技を披露した。しかし得点は、合計271・08点で連覇はならなかった。フリー後の囲み取材で負けず嫌いの羽生らしい言葉が並んだ。

「悔しいです。悔しい以外に言葉で表せることはいまの自分の心境にはないかなと思います。世界選手権に来るまで調子は良くて、練習ではフリーもノーミスができていたんですけど、試合でできないということは、やはりまだまだ自分の力が足りなかったというか......」

 今季は衝突事故、その後の強行出場、予想外のケガ、手術と長期療養、そして右足首捻挫と、アクシデントのオンパレード。五輪王者になって迎えた最初のシーズンとしては予想以上に激動のシーズンを過ごしてきたが、羽生はあきらめることなく、試合に出場し続けてきた。

「試合に出続けたのは、やっぱり自分が現役スケーターだからです。それ以外の何ものでもないですね。何も不思議な感覚はまったくなくて、日本代表として選ばれたわけですし、そこで滑って戦わなくてはいけない義務感もあります。また、ケガをしてしまったことは、中国杯でのアクシデントもそうですが、自分の不注意、自分の管理不足というのは少なからずあると思うので、しっかりと反省しなくてはいけないところです」

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