【フィギュア】来季も出場枠3確保。世界ジュニアで見せた層の厚さ

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「試合が始まる前はちょっとだけ狙っていたけど、こういう結果になるとは思っていなかった。最終グループの演技を緊張しながら見ていたので、3位になった時は嬉しかったけど、表彰式に降りなくてはいけなくなってバタバタしたので、感動している暇はありませんでした」

 そしてその視線をすぐに来シーズンへと向けた。

「次の目標は全日本ジュニアで優勝することと、世界ジュニアで金メダルを獲ること。そのためにはトリプルアクセルを完璧にするとともに、4回転トーループをプログラム構成の中に入れなくてはいけないと思います。まだ4回転はそんなに練習はできていないけど、やった時には成功もしているので……。トリプルアクセルのように練習を積んでいけば、確率も上がってくると思います」

 決意を込めて語った山本は、8日のエキシビションの冒頭で4回転トーループに挑戦。もう次へ向けて歩み出している。

 一方、女子も樋口新葉だけでなく、坂本花織(14)と永井優香(16)がフリーで最終グループ入り。来年の大会の出場枠3獲得に貢献した。

 SPのミスは3回転ルッツのエッジエラーだけという勢いのある演技を見せて4位発進した坂本。フリーでは3つ目のジャンプ、3回転ループで転倒してしまったが、「いつもならループの失敗を引きずってしまっていたところだけど、しっかり切り換えることができたので、最後まで力強いスピードのある演技ができたと思う。他にスピンの取りこぼしもあったので悔しいが、演技や表現は自分なりにけっこう頑張れたと思う」と、振り返った。

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