【フィギュア】涙のシニア世界デビュー。宇野昌磨のこれから (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by AP/AFLO

 17歳でのシニア国際大会デビューは早いほうではあるが、真のトップスケーターを目指すならこの段階でシニア勢と互角に戦えるだけの実力を持っていなければならない。次代を担うホープとして期待される宇野自身もそれは十分に認識しており、自らが求めるハードルを、試合を重ねるごとに上げてきた。

「いつもの練習でしっかりとできていたことで、自分自身の評価が上がっていた。1年前はノーミスしても無力さを感じることはありましたけど、今はまだまだ伸びる要素もありますし、すぐに直せるところもあると思っています。成長できている自分がいるので良かったです」

 海外シニア勢との実力差がどれほどあるのか。試金石となるこの四大陸での戦いが注目された中、ノーミスの演技を見せたSPでは88.90点の高得点を出して2位に。4回転とトリプルアクセルをクリーンに決めたほか、ステップやスピンでもレベル4が並んだ。トリプルアクセルではGOE(出来ばえ点)で2点の加点をもらい、演技構成点のスケーティング技術では8点台も飛び出すなど、全てのエレメンツで高い評価を得た。ジャッジも、宇野をジュニア選手の域を超えた実力者として認めていることが分かった。

「高い点数を出してくれたことは自信にはなりますが、まだ思い切りやれたと言い切れない演技だった。自分はもっともっといい演技ができると思っているので、フリーではしっかりと思い切ったいい演技がしたい」

 どこまでもどん欲に、そして高い目標を持って戦う姿がそこにあった。

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