メダルウィナーズオープン、熟練された美技に酔うひととき (3ページ目)

  • 野口美恵●取材・文 text by Noguchi Yoshie
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao

 32歳のバトルは、日本のショーやプロ競技会に多数出場しており、引退したとはいえプログラムを滑り切る力がある。滑らかなカーブを描くスケーティング、柔らかな氷へのタッチ、スラリと伸びたフリーレッグなど、すべての動きが芸術的で、高い演技構成点が期待できる。12年の同大会では見事に優勝を果たした。

 昨季のシーズン途中に引退を表明し、今はアイスショーで大人気を博しているのはウィアー。バレエの古典的な美しさだけでなく、ロックやヒッピホップなどのジャンプも積極的に取り入れ、前衛的な芸術を目指す30歳だ。個性的な演技では他を引き離す彼が、ジャンプも含めたプログラムをどう演出するかが見どころとなる。また10年バンクーバー五輪王者のライサチェクは、引退宣言はしていないが競技出場はなく、ショーを中心に活動している。長い手足を生かしたダイナミックな滑りや、雄大なジャンプに注目したい。

 各選手とも、現役時代には伝説的な名演をしてきたスターたち。年齢や引退後の年数は多少のハンデになるが、スケーティングや演技そのものは磨かれている。試合の緊張感とショーの高揚感、どちらも味わえる一夜となりそうだ。

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