羽生結弦が取り戻した笑顔と自信。「滑っていて幸せでした」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao

SPの結果、羽生(写真左)がトップ。2位に町田樹(中央)、無良崇人(右)は6位だったSPの結果、羽生(写真左)がトップ。2位に町田樹(中央)、無良崇人(右)は6位だった「演技が終わった時は3回転トーループの転倒の減点を考えて90点くらいだと思っていました。でも、思った以上に演技構成点が出たのでちょっとビックリしましたけど、よかったですね。今回は滑っていて幸せだなと感じたのが一番よかったと思います。『身体で曲を感じている』と思いながら滑るのはあまりないことですし、本当に久しぶり(の感覚)で、去年のファイナル以来だと思う。そういう感じで最後まで気持ちよく滑れたのが今回の大きな収穫でした」

 中国大会は今季初戦でもあり、腰の状態も思わしくないという不安があった。そして激突のアクシデントのあとのNHK杯は、「滑りきることだけを考えていた」という羽生。それに対して、バルセロナでは身体の痛みを気にすることもなく、練習でしっかり追い込めたという手応えをつかんでからの現地入り。「先のことを考えてしまうのではなく、目の前のことひとつひとつに集中できた」と言う。

 また、「まっさらな気持ちで臨めた一番滑走」ということも、自分を後押ししていたと明るい羽生は笑顔を見せた。

「試合で4回転トーループを決めていいイメージを残したのは久しぶりです。そのイメージを持ちながら明日のフリーに向けて集中していきたいと思います」

 苦しい状況を経て臨んだ今シーズンの3戦目。羽生に、持ち味である自然体の滑りと自信が戻ってきた。
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