【フィギュア】ジュニア選手権、初優勝・宇野昌磨ら「次世代」が躍動 (3ページ目)

  • 野口美恵●取材・文 text by Noguchi Yoshie
  • 能登 直●写真 photo by Noto Sunao

 3位はショートでトリプルアクセルを決めた中村優。髙橋大輔と同門で、本田武史からジャンプを習っている18歳だ。氷に吸い付くようななめらかなスケーティングもあり、総合力が高い選手に育ちつつある。フリーもトリプルアクセルのミス以外は7つのジャンプを成功させ、総合184.08点で3位となった。

「全日本ジュニアでの順位や成績はあまり考えないようにして、とにかくシニアの全日本選手権に進むことが目標でした。トリプルアクセルは『決めよう』と思いすぎて力んだのがミスの原因。シニアの全日本選手権ではしっかり結果を残し、世界ジュニアへの出場を狙いたい」

 4位は、16歳の友野一希。ショート、フリーともにトリプルアクセルで着氷が乱れたが、回りきるところまでは来ている。また、友野の一番の魅力はダンス。音楽と一体化し、ノリの良い踊りはもちろんのこと、ちょっと切ないしっとりとした演技も見事にこなす。ショート、フリーともに観客から手拍子が起こり、会場を沸かせた。

「歓声が温かく、滑っていて楽しかったです。ダンスの教室に通ってはいませんが、普段はインターネットで音楽のプロモーション動画を見て踊ったりするのが好きなんです。同じリンクで練習している町田樹選手から『お前も(シニアの)全日本に来いよ』と言われていたので、無事に出場できて嬉しいです」と笑顔を見せた。

 男子は、全体的にはまだジャンプ力が成長途中の選手が多く、この大会でトリプルアクセルを決めたのは宇野と中村の2人のみ。どちらかというと、踊りのセンスが光る選手が多かった。世界全体でも、男子はソチ五輪に向けて多くの選手がシニアに移行したばかりで、ジュニアはいったん若返りを図っている時期ではある。18年平昌五輪に向けた4年間は始まったばかり。ジャンプ力や演技力、スケーティング力などで、それぞれの選手がダイヤの原石のような可能性を示す大会となった。
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