羽生結弦の事故を教訓に、今すべきこととは? (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 もともと瞬発力と持久力の両方が必要なハードな競技なうえに、難しさが増した今は、ひとりで演技をしていても、ジャンプの失敗や転倒で重大な事故が起きる危険性は以前よりも高くなっている。

 また、6分間練習のあり方の再検討などは国際スケート連盟が行なうことだが、チームドクター帯同の義務化などは各国連盟がやるべきことだろう。今回の羽生の場合、日本チームに専属ドクターが帯同していたなら、その場で出場が妥当かどうかを医学的見地から判断し、ドクターの権限で強制的に出場をストップさせていた可能性もある。

 日本の場合、五輪が終わると補助金が減少してスタッフを充実させることが難しいのが現状だが、選手の健康や安全を優先させるのは、競技団体の義務でもある。今回のようなアクシデントに迅速に対応できる体制づくりと、再発防止のために、フィギュアスケート界がやるべきことはたくさんある。それは他の競技団体も他山の石とすべきだろう。

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