【フィギュア】全日本まで45日。安藤美姫は本来の力を取り戻せるか? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 こう話す安藤は、復帰してからこれまで、脚の筋力アップに取り組んできたという。それはフリーを滑り終わっても「以前より疲れが少ない」という効果を生んでいる。だが、トップ選手と互角に争うには、まだ得点が足りない。全日本で優勝争いに加わるためには、合計で190点前後が必要になるだろう。

 今後、安藤は、イタリアに渡ってリッツォコーチと練習に取り組む予定だ。11月下旬のグラーツ(オーストリア)での大会など、欧州での試合に出場して試合勘を取り戻し、12月21日からの全日本選手権に向かうという。

「まだまだ五輪のレベルに達していないけど、今回、(ショートプログラムで)崩れた後に、(フリーで)ここまで持ち直せたのは、ステップアップしているということだと思います。(得点は)復帰戦のネーベルホルン杯から右肩上がりにはなっていないけど、いい練習ができているから気持ち的には前向きになっています。今回の東日本は、自分本来の出来ではないけれど、今の自分のできる限りの力を出し切った。全日本選手権でも今日のような気持ちで演技ができたら、と思います」

 8歳でスケートを始めてから頭角を現し、世界トップの舞台へと駆け上がり、2度の世界チャンピオンになった安藤美姫。彼女は今、最後の戦いに向けての決意を固めた。

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