【フィギュアスケート】ペア不在!?日本のソチ五輪団体戦はどうなるのか

  • 辛仁夏●文 text by Yinha Synn
  • photo by Nakamura Hiroyuki

 日本はソチ五輪の団体戦を諦めるしかないのか。実は今年2月、ひと組の和製ペアが誕生している。

 トランとのコンビを解消した高橋成美は、ペアを続けていくために新パートナーを探していた。日本スケート連盟が白羽の矢を立てたのが、シングル選手で、2011年世界ジュニア選手権男子代表だった木原龍一だった。ペア転向を決意した木原は愛知県出身の20歳、身長174センチの大型スケーターだ。「気骨があって男っぽいところもあるが、心優しい性格の持ち主」(小林芳子フィギュア強化部長)という。ジュニア時代から木原を知る高橋成美も、相性の良さを感じ取っていたのか、新パートナーに木原を熱望したようだ。2人は米国・デトロイトを練習拠点にしてペア選手としてのトレーニングに入っている。

 この2人を引き受けたのが、1994年にシングルで世界女王になった後、米国でプロ活動を行ない、現在はトップスケーターのコーチをするかたわら振付師としても活躍する佐藤有香と、その夫であるジェイソン・ダンジェンだ。佐藤とダンジェンはプロ活動時にコンビを組んでペア種目に出場した経験を持っている。

 国別対抗戦に出場した米国のジェレミー・アボットのコーチでもある佐藤に、「和製ペア」の近況を聞くことができた。

 2月から指導を始めて2ヵ月半。佐藤コーチは「まだ先が読めないので、何とも言えない状況ですね。今は絶対大丈夫ですという約束はできませんが、まったく不可能でもないかもしれない」と話してくれた。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る