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山中慎介は中谷潤人の「サプライズ」な猛攻をどう見たのか 戦い方が「ダーティー」という声には「ちょっと違うかな」

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

山中慎介インタビュー 前編

 6月8日に有明アリーナで行なわれた、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人とIBF王者・西田凌佑による世界バンタム級王座統一戦。1、2ラウンドは中谷が猛攻、3、4ラウンドは西田が巻き返す白熱の展開になったが、6ラウンド終了後に西田の右肩脱臼により陣営が棄権を申し出、中谷がTKO勝利を収めた。

6月8日、西田凌佑(右)の挑戦を退けた中谷潤人 photo by Kitagawa Naoki6月8日、西田凌佑(右)の挑戦を退けた中谷潤人 photo by Kitagawa Naokiこの記事に関連する写真を見る

 偶然のバッティングによる右目上の負傷、右肩の異変を抱えながら高い技術と勝利への意志を見せた西田には、大きな拍手が送られた。一方で、中谷の初回からのラッシュは"サプライズ"と言えるほどだった。

 そんな息詰まる攻防と、気になる両者の今後について、解説席からこの試合を見つめた元WBC世界王者・山中慎介氏に話を聞いた。

【中谷が見せた「サプライズ」な猛攻】

――中谷選手と西田選手の一戦、解説席からご覧になっていかがでしたか?

「中谷が試合後のコメントで『サプライズ』と言っていましたが、試合開始から猛攻という驚きの展開から始まりました。両者ともいろんな展開を想定して試合に臨むと思いますが、さすがに西田も、あれだけ激しく打って出てくるとは思っていなかったんじゃないでしょうか。もちろんお客さんも、僕も驚きましたね」

――山中さんとしては、距離の探り合いでもう少し慎重に入ると思っていましたか?

「そうですね。特にバンタム級に上げてからは、序盤は様子を見る展開が多かったですから。西田と同じサウスポーのペッチ(・CPフレッシュマート)戦でも、まずはジャブで距離を測って、慎重に入っていました。ところが今回は、いきなりダメージを与えにいきました。そこが意外でしたね」

――いきなりの攻撃は「サプライズ」という意味もあったと思いますが、それ以外の狙いはどういったところにあったのでしょうか?

「西田は距離感の取り方や、見合った状態でのタイミングの取り方がすごくうまい。そういう間を作らせないように、あえて距離を潰して先に仕掛けていったんだと思います」

――中谷選手の怖さが出た場面でした。バンタム級最強をきっちりと証明して、その先にいく、という強い意志も感じました。

「そう思わせるような迫力でしたよね。西田を相手に、あそこまでできるのは中谷しかいないと思います。西田もガードを固めてしっかり対応してはいましたが、中谷は右アッパーをダブル、トリプルで繰り出したり、大きく回してくるフック系のパンチも空振りせずに、バンバン体に当ててました。中谷の技術、当て勘、あらためてすごいと思いましたね」

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著者プロフィール

  • 篠﨑貴浩

    篠﨑貴浩 (しのざき・たかひろ)

    フリーライター。栃木県出身。大学卒業後、放送作家としてテレビ・ラジオの制作に携わる。『山本"KID"徳郁 HEART HIT RADIO』(ニッポン放送)『FIGHTING RADIO RIZIN!!』(NACK5)ウェブでは格闘技を中心に執筆中。レフェリーライセンス取得。ボクシング世界王者のYouTube制作も。

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