「伊調馨さんは現役を引退されたのですか?」。オリンピック4連覇の最強女王に素朴な質問をぶつけてみた (2ページ目)
「やっぱり2019年7月、川井梨紗子選手とのプレーオフのあとから、ですね。気持ちのなかでは『自分のことは終えた』と思いましたから」
---- 今はどんなスケジュールで日々生活しているのですか?
「朝7時に起きて、7時30分からランニング。その後、1時間ぐらいウエイトトレーニング。あ、学生のような朝練とは違いますよ。彼らはもっと朝が早いですから、さすがにそこまでは。そして、トレーニングも自宅でやって、ウエイトは自重で......」
---- それを毎日、ですか?
「いやいや! そんなにトレーニングを毎日やっていたら、試合に復帰しますよ(笑)。だいたい週3回ぐらいですね」
---- マット練習は?
「日体大で女子選手を指導しているので、マット練習は月曜日から土曜日まで、毎日16時30分から19時ぐらいまで。日曜日は全体練習がお休みなので」
---- 今の気持ちは選手、コーチ、どちらに向いていますか?
「ありがたいことに会社からコーチという役割をいただいているので、気持ちはコーチのほうに向いているんです。ところが技術練習、特にスパーリングなどをやり出すと、選手のほうにスイッチが入ってしまうというか......。『あれ、今、どっちだ?』と葛藤が始まることもあって。
スパーリングしていると、『どうやったらポイントを取れるのか』『次はあの手でいこう』『取られるのは嫌だな』『何で取られたのかな』と、いろいろ考えてしまって......。お互いが見合っちゃう試合みたいな展開になることが多いんです。もっと選手のことを考えて、展開を作ってあげないといけないのに。彼女たちには申し訳ないと思うことばかりです。
まだコーチとして余裕がないんですね。日体大では田南部力コーチが全体を仕切り、私は軽量級担当になっているんですが、時に重量級の選手を相手にすると。もうガチです(笑)。ポイントを取りたい、取られたくないと必死ですね」
---- 負けん気の強い伊調さんらしいですね。
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