ゆうこりん全盛期に「デブ」と言われたグラビア界で自信喪失。まなせゆうなが明かす、リングで 「主人公」になるまでの軌跡 (3ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • 林ユバ●撮影 photo by Hayashi Yuba

自分のことを応援してくれる人と握手がしたい

 新体操をやめてからは、中学校の新体操部で外部指導コーチをしながらバイトに明け暮れた。バイト先は吉野家で、賄いは牛丼。体重は45kgまで増えた。ファッションはセシルマクビー全盛期。千葉駅のそごうのセシルマクビーの更衣室でワンピースが入らず、号泣した。

 高校2年生の時、千葉駅で芸能事務所にスカウトされる。新体操をやめてから、バイトをしながら年上の彼氏ができて、友だちと海で遊ぶ日々。楽しくも、どこか刺激が足りないと感じていたまなせは、スカウトの話を受ける。

「役者の事務所だったんですけど、『あなたはなにがやりたい?』と聞かれて、やりたいことなんてないじゃないですか。なにができるかわからないけど、『自分のことを応援してくれる人と握手がしたい』って言ったんです。そうしたら『グラビアが一番近いかもね』ということで、グラビアをやることになりました」

インタビューに答えるまなせインタビューに答えるまなせこの記事に関連する写真を見る 当時の体重は52kg。芸能界では、またもや「デブ」と言われることになる。

「ゆうこりん(小倉優子)全盛期だったので、背が低くて、胸はなく、ロリ系が正義。コリン星がブームで、『どこの星からやって来たの?』みたいな女の子ばっかりでした。わたしは千葉出身なので、『落花星から来ました』って言ってましたね(笑)」

 そんな中、アクション女優になりたいという夢ができた。映画『チャーリーズ・エンジェル』のキャメロン・ディアスになりたかった。アクトレスガールズ(女優とプロレスを掛け合わせた団体)のプロデューサー坂口敬二に「プロレスが題材の映画を作るんだけど、出ない?」と声を掛けられ、役作りでスターダムに練習に行くことになった。

 グラレスラー愛川ゆず希が引退する直前で、「第二のグラレスラーとして売り出したい」と言われた。プロレスをやる気はなかったが、坂口に「プロレスをやったらハリウッドに出られるんだよ」と言われ、心が動いた。まなせが大好きな映画『ワイルドスピード』に、元プロレスラーの"ロック様"ことドウェイン・ジョンソンが出演していると知ったのだ。

「『わたしも出るー!』って言いました(笑)。それに、わたしは露出して体を使うよりも、プロレスで使うほうが好きだなと思ったんですよね。同じ体を使うんだったら、こっちでやってみようという感じでした」

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