武尊の胸に残る夢、総合格闘技への思い。「総合でも結果を残せたら、K-1 の強さを証明できる」 (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • photo by 東京スポーツ/アフロ

まだまだ自分は弱い

――減量で食事もストイックに管理されていると思いますが、"勝負メシ"などはあるんですか?

「今は減量で食べられませんが、計量が終わったあとはウナギを食べます。決まったお店はないですけど、デビュー戦からずっと変わらない習慣なんです」

――武尊選手は3階級で王者となりましたが、どのように体作りをしてきたんですか?

「減量や食事については、自分で勉強しながらやってきて、フィジカルトレーニングも取り入れて体を作るようになりました。トレーナーさんに教えてもらうこともあるんですが、試しにやってみたことが体にどう影響するかを自分で確かめながら研究して、いいか悪いかを判断してきました」

――そういった体作りの面も含めて、格闘家としてすでに完成されたようにも感じますが、ご自身ではいかがですか?

「完成されたとは思ってないし、まだまだ自分は弱いと思っています。ボクシングのトレーニングでも新たな技術を学んでいますし、勉強しないといけないことばかり。まだ伸びしろもあると感じてます」

――8歳から空手を習い始めた武尊選手が、小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「総合格闘家になりたい」だったそうですね。そこからキックボクシングの道に進んだのはなぜですか?

「どっちもやりたかったんですけど、アンディ・フグ選手(1996年のK-1グランプリで優勝)に憧れていて、『K-1 のチャンピオンになりたい』という思いを抱いたからそちらに進んだ感じです。でも、総合格闘技は"なんでもあり"という究極の格闘技だとも思います。K-1 王者として総合でも結果を残せたら、K-1 の強さを証明できるのかなとも思っています」

――試合を"命のやり取り"と考えている武尊選手にとっては、総合格闘技のダウン後の追撃や「極め」は、自らが求める強さに通ずる部分がある?

「そうですね。もちろんレフェリーがいてストップもしますが、総合格闘技のほうがより先の展開がありますし。空手をやっていた時も、実戦向けの空手だったので倒れた後も攻撃されていました。倒れた後の攻撃も習っていたので、それが染みついているのかもしれません」

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