女子プロボクサー鈴木なな子は日本から世界へ。「2、3年以内に東洋チャンピオンになりたい」 (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

2、3年で東洋のタイトルを目指す

――人数は少しずつ増えてきているとはいえ、女子のプロボクサーで同じ階級の選手となると限られてくると思います。スパーの相手も同じ顔触れになったりしませんか?

「どうしてもそうなってしまいますね。スパーした選手と試合をすることになる確率も高いですから、ヘタにいろんな人とできないという面はあるかもしれません。ただ、試合とスパーは別物ですから、私はそこまで気にしていません」

――鈴木選手が三迫ジムに移籍した当時(2020年1月)は、女子選手は他にいませんでした(現在は、WBO女子世界スーパーフライ級王者・吉田実代、晝田瑞希らが在籍)。男子ともスパーを行なっていたんですか?

「出稽古をしたり、男子選手ともやっていました。体重を合わせても、筋力や、パンチの硬さや強さが女子と男子は違うので、ヒヤっとすることもありました」

――そうしたことも経て日本王者になって、今後は東洋太平洋王者、世界王者が見えてきたと思います。

「まずは今のタイトルを1回でも2回でも防衛してからです。そうしてキャリアを積んで、しっかり段階を踏んでから東洋太平洋のタイトルを目指したい。2、3年以内には東洋チャンピオンになりたいです」

――焦らず、ステップアップしていく感じですね。

「慎重にいきたいタイプなので、着実に上げていきたいです。最初の防衛戦は、夏頃にできたら嬉しいですね。ジムを移籍してからの試合はずっと無観客でしたが、最近では、ちょっとずつお客さんが入れるようになってきました。次の試合がある時の状況がどうなっているかはわかりませんが、できたら満員のお客さんの中で試合がしたいですね」

 色モノではなく本物。手にしたベルトはその証だ。ボクシング女子日本ミニマム級王者・鈴木なな子は、プロボクサーとしてのプライドと覚悟を胸に、自らが描いた未来予想図を叶えていく。

(連載4:教員を目指す大学院生だった「強すぎるRIZIN女王」が振り返る頂上までの2年間>>)



【プロフィール】
■鈴木なな子

1999年7月8日、東京都生まれ。身長158cm。4歳でフルコンタクト空手を始め、高校2年で全関東大会女子軽量級優勝。その後、ボクシングに転向。高校3年時の2017年5月にプロデビュー。2018年に立教大学に入学。2020年1月に今の三迫ボクシングジムに移籍し、2021年12月に日本女子ミニマム級王座を獲得。2022年に大学を卒業した。

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(取材協力:三迫ボクシングジム)

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