皇治が因縁の梅野源治とRIZINで再戦。ヒジ有りルール要求には「身の程をわきまえろ」 (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

ひょっとこの仮面をかぶってインタビューに答える場面もひょっとこの仮面をかぶってインタビューに答える場面もこの記事に関連する写真を見る――昔は皇治選手が上の選手に挑む立場でしたが、近年は狙われることも増えましたね。それに皇治選手も応えていますが......。

「(昨年末に戦った)YA-MANくんの時もそうだったけど、『ボランティアしすぎやな』って。でも自分は、RIZIN のチャンピオンじゃないし、K-1のチャンピオンでもないから上の人とやる権利があるはず。チャンピオンは下からの挑戦を受ける義務があると思うんですけど、俺は本来、挑戦者でいる権利があると思うんですよね。

 それなのに、挑戦を受けて試合することが増えて、あまりモチベーションも上がらない。本音は上の選手とガンガンやりたいけど、いかんせん最近は成績が残せていないですからね。そこは素直に悔しいなと思っているし、しっかり結果を出してから、また発言しようと思ってます」

――梅野選手との試合は、結果にこだわる?

「そうですね。去年の大阪大会の時に初めて......あんまりこんな言い方はしちゃダメですけど、ホンマに『死んだ方がマシ』と思ったんです。それくらい自分に失望しました。表に出る時は相変わらずヘラヘラしてますけど、あの時はマジで悔しくてどうしようもなかったです。だけど、そんな日々をたくさんの人に支えられて、またリングに上がれる。いい加減に恩返しをしないと漢じゃないですね」

究極の負けず嫌い「ボロボロ涙が出る」

――追い込まれても諦めない皇治選手の生きざまも含めて、応援してくれるファンが多いんじゃないですか?

「誇れることかどうかわからないですけどね。去年に出した自分の本(『凡人の勝算 最後に勝つヤツの思考法』/宝島社)でも書いたんですけど、世の中は、凡人のほうが多いと思うんですよ。天才で一気に上がっていく人よりも、俺みたいな人が多いはず。少しでも、そういう人たちの力になれるように気張らんと、といつも思ってます。こんな波瀾万丈のファイターはいないですよ」

――K-1とRIZINで皇治選手を知った人は多いと思いますが、実は、K-1に出るまで11年かかっているんですよね?

「11年? いや、もっとちゃうかな......15歳で始めて26歳でK-1出たから......11年で合ってました(笑)。RIZIN に出てから俺を知ってくれた人もいると思うけど、そういう人たちからしたら訳がわからん存在でしょうね。結果を残せていないのに、いい扱いをしてもらって試合ができているから。さっきも言ったけど、そういう人たちに認めてもらえるような結果を出せていないのは悔しいです。だから諦めたくない。逃げたら絶対に楽だけど、そうしたくないんです」

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