ノアの丸藤正道、新日本プロレスは「今の俺たちにとっては美味しいエサ」。1・8対抗戦でプロレス界のナンバーワンを「ひっくり返す」 (2ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Tokyo Sports/AFLO

【25歳の若きスターへの期待】

 まずは、対抗戦が決まった時の感想をこう明かした。

「『しばらく交わることはないかな』と思っていたので、正直、驚いてはいます。だけど、俺が誰かとやりたいというより、ウチの選手と新日本の選手が関わってほしいんです」

 過去のノアと新日本との交流は約20年前。2001年10月8日の新日本の東京ドーム大会で、ノアの秋山準が新日本のリングに初登場して永田裕志とタッグを結成し、武藤敬司、馳浩と対戦した。以来、2002年5月2日の東京ドームで三沢光晴と蝶野正洋の一騎打ちが実現するなど、2016年まではさまざまな対決が実現してきたが、それ以降は交流が途絶えていた。

丸藤自身は2010年1月4日の新日本の東京ドームに参戦し、IWGPジュニアのベルトを奪取。2年後には真夏の最強決定戦「G1クライマックス」に参戦するなど、新日本勢と数多くの対決をしてきた。

そんな丸藤は、武道館での拳王と中嶋の発言をどう受け止めているのか。

「『金剛』のメンバーだけじゃなく、選手個々の発言に俺が"上乗せ"する必要はないと思っています。ただ、ひとつだけ言えるのは、彼らが言っていることは間違いじゃない。

俺は今までも新日本のリングに何度も上がっているんで、個人的にはそこまで大きな新鮮味、サプライズ的なものは感じていません。だから、新日本、他団体との試合をあまりやったことない選手が、どういうふうにやるのかが楽しみですね。特に潮崎(豪)、(中嶋)勝彦、清宮(海斗)には、今回の試合を経てプロレス界の最前線にいってほしいです」

 丸藤が名前を出した3人のなかで注目は、25歳の清宮がどんな戦いを見せるか。清宮は武藤敬司とタッグを組み、オカダ・カズチカ、棚橋弘至と対戦する。

 ただ、清宮は元日にナショナル王者の拳王に挑戦し、激闘の末に敗れている。1月4日の後楽園ホール大会で復帰戦を飾ったが、拳王戦の敗北は対抗戦へのマイナスにならないのか。

「そこは関係ないですね。清宮が拳王に負けたからといって、すべてがマイナスになるわけじゃない。彼はキャリアが浅く、まだ25歳。むしろ武道館であれだけの試合をしたことが、新日本との戦いに向けても自信になったはずです」

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