2021.12.22

国内外86連勝の超逸材など日本女子レスリングは早くも世代交代? 続々と現れる金メダル級のニューヒロインたち

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

【伊調馨が育てる日体大の逸材】

 そしてスター候補3人目は、68キロ級の森川美和(もりかわ・みわ/22歳/日体大)。伊調馨を金メダルに導いた田南部力コーチ、そして伊調自身も指導する逸材だ。

 今年の世界選手権では順調に勝ち進むも、決勝でモルドバのヨーロッパチャンピオンに果敢に挑みながら6−8と惜敗。銀メダルに終わった。

 その鬱憤を晴らすかのように森川は全日本選手権で暴れ回り、全試合無失点のテクニカルフォール勝ち。決勝戦では高校の先輩であり、一度も勝ったことのない源平彩南を完封で下した。

 東京オリンピックの代表選考では土性をプレーオフまで追い詰めた森川。今大会は非オリンピック階級の65キロ級での出場だったが、オリンピック代表選考レースが本格化する来年の全日本選手権では68キロ級へアップするのは間違いない。

 東京オリンピックで金メダルを逃した68キロ級に、森川への期待は一段と高まる。師匠である伊調に彼女の評価を聞いてみた。答えは......あいかわらず手厳しい。

「技や展開力は少しずつ上がってきていますが、体力・筋力はまだまだ。今のまま68キロ級でやるには世界との差があまりにも大きく、この1年間、死に物狂いでやってそこを埋められなければパリでのメダル獲得は厳しいですね」

 とは言いつつ、伊調は優しくはこう語る。

「森川にとっては、これからが本当の勝負。どんなときでも前向きにがんばれる選手なので、必ずやってくれると信じています」

 そのほか、世界選手権55キロ級で初の世界チャンピオンとなった櫻井つぐみ(20歳/育英大)は、全日本選手権ではオリンピック階級の57キロ級にアップ。決勝戦では世界選手権3位の南條早映を撃破して優勝を果たした。今後、オリンピック2連覇中の川井梨紗子に櫻井がどう挑むか。

 また、世界選手権50キロ級優勝の吉元玲美那(よしもと・れみな/21歳/至学館大)も全日本選手権で2連覇を達成。東京オリンピックで全試合無失点テクニカルフォール勝ちを収めた同階級の須﨑にどこまで喰らいついていけるか。