井上尚弥の破壊力は「単純に強いだけではない」。元アジア太平洋王者のいとこが体感した「体にダメージが残る」パンチ (4ページ目)

  • Text by Sportiva

【階級を上げても「まったく問題ない」】

――ちなみに防衛戦の会場では、浩樹さんがブースを作り、自身が描いた漫画『闘え! コウキくん』の物販もしていたそうですね。

「ありがたいことに、多くのファンの方に声をかけていただきました。尚弥が会場に入ってからはそちらのサポートに回りましたけどね」

――控え室では、井上選手とどんな話をしましたか?

「会話というほどでもないですが、試合後は『疲れた。打たれ強かったなぁ』と口にしていました。いつも、試合についての詳しい話をするのはちょっと落ち着いてからです。誰かの試合があった日の深夜に、拓真も一緒にコンビニに行ってカップラーメンを食べながら話をすることもよくありました(笑)。尚弥はパッケージで選ぶというか、"ジャケ買い"をすることが多いです。コロナ禍になる前までは集まることが多かったですよ」

――すごく最近ですね。世界トップクラスのボクサー3人がコンビニでカップラーメンを食べる光景は想像するだけで異様です(笑)。なぜ深夜なんですか?

「試合後は、『寝てはダメ』と言われているんです。すごく打たれた選手は病院で検査をしますが、そうではない選手も脳の血管が切れているかもしれない。その状態で寝たらそのまま起きない、ということもありますから。だから朝まで状態を確認しながら起きているんですが、互いの様子を見ることも兼ねて集まっていたような感じです」

――井上選手は今後、スーパーバンタム級に階級を上げることも示唆していますが、それに対してどう思いますか?

「まったく問題ないと思います。ドネア選手との再戦を楽しみにしている方も多いでしょうけど、減量による体への負担を減らして、ノビノビやってもいいんじゃないですかね。尚弥は常に4団体統一を目標に掲げてきましたが、スーパーバンタム級でもそれを達成できるでしょう。その階級で2団体のベルト(WBAスーパー、IBF)を持っているムロジョン・アフマダリエフ選手(ウズベキスタン)など、対戦を見てみたい強い相手がたくさんいます。

 そういった強敵と戦っていくと、パウンド・フォー・パウンド(PFP)の頂上も見えてくるはず。どちらにしても、今後も尚弥の戦いが楽しみです!」

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【ドネア独占インタビュー】「また日本で」井上尚弥との再戦への思い>>

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