タイトル戦前のノニト・ドネアに独占インタビュー。「また日本で」井上尚弥との再戦への思いも語った (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

――10月中旬、プロモーターのリチャード・シェイファーが中心となった新会社プロベラムと契約を結んだと発表されました。あなたはもともとシェイファー傘下でしたが、この契約の背景を教えてもらえますか?

ND  私とリチャードはいい友人であり、同時に彼は私のキャリアを大きく助けてくれました。リチャードはプロベラムを創設し、新しいビジョンを持って進んでいこうと考えています。すでに最大級のプロモーション会社になったように思いますし、私もその一員になれたことにエキサイトしています。

――あなたとシェイファーの間には固い絆があるように見えます。それはボクシングビジネスでは希有なことですが、いったい何によって深く結びつけられているのでしょうか。

ND リチャードは非常に率直な人間なんです。どんなことに関しても、何が起こっているのか、何をするつもりなのか、私が知りたがっていることをすべて正直に伝えてくれます。彼は自分の傘下のボクサーのために何でもやろうとしてくれる。たとえば、先ほどの井上との再戦に関しても、私の希望であることを熟知しており、実現のために全力を注いでくれています。彼は他のどんなプロモーターと仕事をすることも厭わないですが、それも重要なことですね。

――8月に一度は対戦が決定したカシメロのことも聞かせてください。ドーピング検査の方法を巡る行き違いとトラッシュトークの激化によって、統一戦はキャンセルとなりました。今、あの一件をどう振り返りますか?

ND 今では「新たなことを学ぶ機会だった」と捉えています。2人のフィリピン人が統一戦を行なうということにエキサイトしていましたが、その試合にはさまざまな別の要素がついてきましたね。対戦相手は、何でも頭に浮かんだことを口にすることがあると知りました。あの件でよかったことがあったとすれば、多くのファンが私を最後までサポートし続けてくれたこと。私も多くを学べた経験であったことは否定しません。

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