タイトル戦前のノニト・ドネアに独占インタビュー。「また日本で」井上尚弥との再戦への思いも語った (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

――すでに多くを成し遂げてきたあなたは、最近は強敵との対戦や新たなチャレンジを追い求めることでモチベーションを保ってきた印象があります。戦績こそ立派でも、まだ実績不足のガバリョとの試合では、その部分が難しかったのではないですか?

ND 確かに、モチベーションを最大限に高めるためにふだん以上の努力が必要だったことは事実です。井上やこの階級の他のチャンピオンとの対戦であれば、違った心持ちになっていたでしょうね。先を見すぎることがないように、気持ちを引き締めなければいけませんでした。とにかく大切なのは集中すること。目標である井上との再戦に向け、絶対に負けられない試合であることは間違いないですから。

――今戦はバンタム級の王座統一、井上選手への雪辱という目標に向けた大事なプロセスといった位置づけになるのでしょうか。

ND そのとおりです。WBCの指名戦として義務づけられた一戦。必ずこなさなければいけない試合ですし、日程的にも統一戦が難しい今が最善のタイミングなのでしょう。5月のウバーリ戦に勝った勢いを保つために、「年内にもう一戦やっておきたい」という気持ちもありました。

――井上選手も12月14日に次の防衛戦を消化し、来年4月にビッグイベントを計画していると伝えられています。来春にリマッチを実現させたいという気持ちは強いですか?

ND 実現する可能性があるかもしれない、としか言えません。私たちは具体的なことを知らされているわけではないのですからね。今、大事なのは、どんな方向に進もうと、準備を整えておくということ。そのために、まずはガバリョに勝たなければいけない。先ほども話したとおり、気を抜くつもりはありません。

――再戦は日本開催の可能性が高いと思われます。あなたは日本でも大人気ですが、それでもアウェーであることに変わりはありません。日本以外で、という希望はありますか?

ND 日本開催でまったく問題ないですよ。井上との第1戦はすばらしい雰囲気のなかで行なわれ、私も多くの人から応援してもらいました。再戦も日本でやるのがもっとも盛り上がるし、さまざまな意味で最善のチョイスなのはわかっています。

 日本での再戦が実現したら、井上は母国の人たちのサポートを受け、プライドをかけて臨んでくるはず。そんな彼を敵地で倒すことができれば、私にとっても達成感は大きいに違いありません。だから日本で構わないですし、再戦の機会が得られるのであればそれ以上の喜びはありません。

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