柔道・阿部詩「兄妹同日で金メダル」への思い。「モチベーションが下がることはなかった」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●取材・文 text by Sportiva
  • 布川航太●撮影 photo by Nunokawa Kota

―― 女子52キロ級は、男女の全階級で日本が金メダルを獲得したことがない唯一の階級です。そうした"ジンクス"は意識しますか?

「逆に自分にとってはチャンスだと思っています。(日本人選手が)金メダルを獲得したことがない階級で、自分が初めての選手になれるチャンスがある。しかもそのチャンスは、自分にしか与えられていない。だから、プレッシャーというよりは、やりがいだと感じています。達成した時の喜びは人一倍大きいはず。マイナスに考えるよりも、『やってやるぞ』っていう気持ちのほうが強いですね」

―― 女子52キロ級と兄・一二三選手の男子66キロ級は、いずれも7月25日に開催されます。当日は日本武道館で、どんな柔道を見せたいですか?
 
「1本にこだわる自分の柔道を見せて、必ず金メダルを獲りたいと思います。女子52キロ級での日本初の金メダル、そして兄にも勝ってもらって、兄妹同日で金メダル。その両方を実現する日にしたいと思います」


Profile
阿部詩(あべ・うた)
2000年7月14日、兵庫県生まれ。5歳から柔道をはじめ、夙川学院高校2年時(2017年)にグランドスラム・東京大会で優勝。2020年2月のグランドスラム・デュッセルドルフ大会で優勝し、東京五輪出場を内定させた。兄は東京五輪に出場する柔道男子66キロ級日本代表の阿部一二三。

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