2021.05.15

藤波辰爾と激闘した外国人レスラー。大流血したチャボ戦とキッドの強力ヘッドバットを語る

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Yukio Hiraku/AFLO

 試合後、病院に直行すべき大ケガだったが、控室で応急手当をしただけで、手術などは受けなかったという。

「控室で、永源(遥)さんが消毒したテーピングを丸めてくっつけただけで、医者には行きませんでした。あの頃は、1年中ずっと試合があったので、縫ってしまうと次の試合中に変な形で切れてしまう可能性がありますから。ただ、あれだけ血を流したからか、ホテルに帰って部屋に入って落ち着いた時に寒気がしましたよ(笑)」

 この試合は、妻の伽織さんと出会うきっかけにもなった。大阪出身の伽織さんが、プロレスファンだった弟に連れられて初めてプロレスを生観戦したのが、この寝屋川だった。大流血を心配した伽織さんは、藤波が宿泊しているホテルの受付にお見舞いとして果物かごを届けた。それをきっかけに交際が始まり、3年後の1981年に結婚した。

「妻と出会うきっかけにもなった試合ですから、そういう意味でも忘れられない一戦ですね」

 さまざまなドラマと縁をつないだチャボは、2017年2月11日に68歳で生涯を閉じた。

 外国人レスラーで、ジュニアヘビー時代の代表的な好敵手がもうひとり。ダイナマイト・キッドだ。

 イギリス出身のキッドは1975年にプロレスデビューし、カナダのカルガリー地区で活躍。1979年7月に国際プロレスの「'79ビッグ・サマー・シリーズ」で初来日した。藤波とは、同年8月にカルガリーで行なわれたWWWFジュニアヘビー王座戦で初対戦した。それから何度も、新日本マットで名勝負を展開する。