那須川天心「平和主義です」×清宮海斗「プロレス向いてないなと思う」 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • photo by Sueishi Naoyoshi

  ── 「那須川天心チャンネル」は、トレーニング動画やオモシロ企画にとどまらず、試合直後の那須川選手に独占インタビューする動画まであって、振り幅が本当に大きいですよね。そのインタビューの中で、出世試合について話していたのがとても印象的でした。

那須川 この試合をやることによって人生が変わるとか、勝つことによって人生が変わるとか、絶対にあると思うんですよ。やっぱり、男は挑戦しないといけない。メイウェザー選手との試合が決まった時も、「まじか!」と思いましたけど、そういうチャンスって何度も巡ってこないんですよね。それを掴みに行く姿勢は大事ですよ。それ次第で人生が変わる人もいれば、よくなる人もいれば悪くなる人もいますけど、そういうストーリーは大事ですよね。

── 清宮選手にとって出世試合は?

清宮 自分のなかでは、海外遠征から帰ってきた時の拳王選手との試合が手応えありましたね。お客さんもすごい盛り上がって、そこでベルトは完全に自分の視野に入っていると感じて、そこから年末にベルトを獲るという目標を掲げて、実際にベルトを獲ることができたので。そこはひとつのターニングポイントだったかなと。あと近い試合だと、武藤(敬司)さんとの試合は、自分のプロレスに対する考え方をあらためて見直すきっかけにもなりましたし、これは必ず今後の自分のプロレス人生を左右するなっていう試合でした。

── これからのキック界、プロレス界の未来を担うおふたりの夢とは?

清宮 僕は、那須川さんとプロレスのリングで一緒にやりたいです。

那須川 マジっすか(笑)。

清宮 タッグマッチがあるのって、プロレス界くらいですよね。これを機会にやりたいですよ。僕と那須川さんが組んで、相手チームは那須川さんのライバルと拳王が組むとか。見たことないようなことをやりたいです。

那須川 やりたいですね! 面白い! 僕は、目標はいっぱいあるんですけど、夢っていうのはまだないんです。見えないんですよ。自分で言うのもなんですけど、可能性がありすぎて。世界の中心人物になりたいっていう気持ちはすごくあります。格闘技で世界に名を轟かせたい。

── まずは、9月27日(日)の「RIZIN.24」ですね。

那須川 久しぶりに地上波で試合が放送されるので、しっかりと差をつけたいです。いま格闘技も新しい時代を迎えていて、選手自ら発信して、口も巧くて、それでファンがついてきてくれて、盛り上がる。それはそれでいいんですけど、原点はそこじゃない。やっぱり強くなりたくてやってるわけなんで、そこを疎かにしてはいけないというのはあります。そこをわからせる試合をしたいなと思っています。

(了)


【プロフィール】
那須川天心/1998年8月18日、千葉県生まれ。5歳から極真空手を始め、小学校5年生でジュニア世界大会優勝。キックボクシングに転向し、アマチュア戦歴は105戦99勝5敗1分。キック界の"神童"と呼ばれる。14年7月、RISEバンタム級ランカーを1R58秒KOで下し、衝撃のプロデビュー。史上最年少16歳でRISEバンタム級王座を獲得、19歳で初代RISEフェザー級世界王者となる。2016年12月、RIZINに初参戦し、総合格闘技デビュー。2020年7月、プロ40連勝(31KO)を達成した。165cm、58.6kg。Twitter @TeppenTenshin
「那須川天心チャンネル」はこちら>>

清宮海斗/1996年7月17日、埼玉県生まれ。幼少期から三沢光晴に憧れ、高校卒業後すぐプロレスリング・ノアに入門。15年12月9日、ディファ有明大会にてデビュー。17年6月、海外遠征のためカナダへ出発。同年12月、後楽園ホール大会で凱旋帰国。18年12月、王者・杉浦貴を下し、GHCヘビー級王座を戴冠(戴冠最年少記録を更新)。20年1月まで防衛を続け、ノアの次世代エースとして期待されている。2018年、2019年、プロレス大賞・敢闘賞受賞。180cm、98kg。Twitter @noah_kiyomiya
「プロレスリング・ノア公式チャンネル」はこちら>>

■大会情報
那須川天心/「RISIN.24」
日時:2020年9月27日(日)16:00開始
場所:さいたまスーパーアリーナ
TV放送:2020年9月27日(日)20:00〜21:54 ※フジテレビ系列全国放送(一部地域を除く)

清宮海斗/「N-1 VICTORY 2020」https://www.noah.co.jp/
9月26日(土)18:00 新潟・万代島多目的広場大かま(新潟市)
10月4日(日)11:30 東京・後楽園ホール
10月11日(日)16:00 大阪・エディオンアリーナ大阪第1競技場 ※優勝決定戦

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