「東京で金メダルが獲れる」文田健一郎。先輩の銀獲得が嬉しくも悔しかった (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO


 太田は初戦、アジア予選で倒したスーリヤンから再び勝利を奪うと、2回戦でロンドンオリンピック5位の選手、3回戦で2014年世界選手権銅メダリスト、そして準決勝で北京・ロンドンオリンピック銀メダリストを撃破。圧倒的な強さを見せ、次々と世界の強敵を倒していった。

 決勝こそ前年の世界チャンピオンに敗れたものの、堂々たる銀メダル獲得。世界選手権に出場した経験は1度もなく、このオリンピックが"世界デビュー"にもかかわらず、太田は存分に実力を発揮した。

 まばゆいばかりの太田の活躍は、文田にとって衝撃的だったろう。先輩の銀メダル獲得に感動した。だが、悔しさもあったと言う。

「決勝戦までずっと応援していましたが、表彰式で銀メダルを首から下げた姿を見たあたりから、なんだかとっても悔しくなってきました。自分が忍先輩に勝っていたら(文田は全日本選手権3回戦で敗退)、あそこまで行けたんだと。

 忍先輩に追いつけば、世界で戦える。忍先輩を上回る練習をして、忍先輩に勝てるようになれば、世界で勝てる」

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