川井梨紗子「馨さんから逃げたと思われる」。苦渋の決断が生んだリオ五輪の金 (7ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by AFLO


 そして迎えた2016年8月のオリンピック本番。川井は強敵ひしめくブロックを勝ち上がり、決勝戦でもベラルーシのマリア・ママシュクを6−0で退け、ついに金メダルに輝いた。

 しかも、同じく金メダルを獲得した伊調、登坂絵莉(東新住建)、土性沙羅(東新住建)が決勝戦終了間際の大逆転で勝てたのに対し、川井は他を寄せつけぬ圧倒的強さを発揮。女子6階級のなかで最も安定した戦いぶりだった。

 川井はリオデジャネイロオリンピック後も休むことなく、世界選手権を連覇。パワハラ問題を乗り越えて2年ぶりに復帰した伊調との8カ月に及ぶ死闘も制し、念願である「馨さんを倒してのオリンピック」を実現させた。

 今や押しも押されもしない、日本女子レスリングのエースに成長した川井梨紗子。東京オリンピックでは自身のオリンピック2連覇、そして62キロ級で出場する妹・友香子との姉妹同時メダル獲得に挑む。

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