2020.06.05

川井梨紗子「馨さんから逃げたと思われる」。
苦渋の決断が生んだリオ五輪の金

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by AFLO


 だが、女子58キロ級にエントリーしたのは、オリンピック4連覇を目指す伊調馨(ALSOK)のほか、環太平洋大学の学生2名のみ。同じくオリンピック4連覇を目指す吉田沙保里が出場する53キロ級に12名がエントリーしたことを考えると、いかに少ないかがわかるだろう。

 つまり、伊調との対戦を回避する選手が続出したというわけだ。

 伊調はロンドンでオリンピック3連覇を果たしたあと、2013年の世界選手権では全試合フォール勝ち。さらに2014年の世界選手権では全試合失点ゼロのフォール、テクニカルフォール勝ち。

 のちに伊調自身が「ロンドンオリンピックからリオデジャネイロオリンピックまでが最も充実していた」と振り返るように、まさに2015年は絶頂期だった。たとえ階級を下げて減量が苦しかろうが、階級を上げてパワー不足となろうが、"怪物"を避けるのは当然、大正解なのだろう。

 川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)も、そうした選手のひとりだった。