井上尚弥の統一戦は夏開催か。大橋会長が語る現状「本物は生き残る」 (2ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

インタビューに応じた大橋ジムの大橋秀行会長 photo by Kurita Shimeiインタビューに応じた大橋ジムの大橋秀行会長 photo by Kurita Shimei――アメリカのボクシング興行再開に向けた動きはいかがでしょうか?

「アメリカではボクシング再開に向けて、プロモーターもすでに動いています。無観客、少人数の観客という形になる可能性も高いですが、6月、7月の再開が現実的でしょう。ボクサーは試合間隔が空きすぎると試合勘も鈍る。多くのボクシング関係者が早期の再開に向けて尽力しており、こちらが得ている情報から判断すると、そう遠くないタイミングで再開できると見ています」

――井上選手のマッチメイクを担当する、トップランク社のボブ・アラムCEOとはどのような話しをしていますか。

「ボブ・アラムとしては『早く井上にやらせてあげたい』というのはあると思いますよ。パウンド・フォー・パウンド(選手の体重を同一と考えて強さを計る仮想ランキング)の順位はアメリカでの評価の基準になっています(井上は現在3位)。WBSSの活躍を受けて尚弥の評価はうなぎのぼり。バンダム級でメインを張り、試合のチケットも売れていましたから。

 3月下旬からアメリカでコロナウイルスの感染者数が一気に増え、一時は日本での統一戦の実施も検討されていましたが、日本で緊急事態宣言が出されたことでそれもなくなりました。トップランク社としては、渡航制限の兼ね合いで尚弥が日本から出国できるのかということと、日本政府の対応を注視していますね。国際情勢も含めて『井上がラスベガスに来ることができるのか』という点を懸念しています。それがクリアできれば、夏頃には統一戦が実現すると見ています」

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