グレイシーがまさかのタオル投入。桜庭和志がホイス戦圧勝で歴史を変えた (7ページ目)

  • 佐瀬順一●取材・文 text by Sase Jun-ichi
  • 長尾迪●撮影 photo by Nagao Susumu


 そんな声が聞こえる中、「セコンドアウト」のアナウンス----。

 桜庭は見るからに、まだ戦える様子。一方、ホイスはインターバルが終わっても、椅子から立ち上がる気配すらない。

 レフェリーがセコンド陣にリングから降りるように指示し、なかば強引に7ラウンドが始まると思われた。しかし、次の瞬間......グレイシー一族の長男であるホリオン・グレイシーが、タオルをリング内に投げ入れたのだ。

 絶対に負けを認めないグレイシーが負けを認め、あのホイス・グレイシーに桜庭和志というプロレスラーが勝った。総合格闘技の歴史が変わった瞬間、大袈裟でも何でもなく、ドームの屋根を突き破るんじゃないかと思うくらいの歓声が沸き上がった。

(第4回につづく)

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