コロナはプロボクサーへの影響も大。それでもブレないひとつの想い (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 しかし、2012年に全日本社会人選手権で優勝するなどの成績を残すも、五輪の夢は叶わず。6年間勤務した自衛隊退職後にプロ転向し、2014年にプロデビューしている。現在、17戦14勝2敗1分(6KO)。昨年10月、チャンピオンカーニバル最強挑戦者決定戦に勝利し日本王座への挑戦権を獲得、一度は今年3月16日にタイトルマッチが開催されることが決まっていた。

 しかし、今年2月、王者・井上のケガのため、試合は5月28日に延期。

「気持ちはすぐ切り替えました。練習の時間が増えた分、もっと強くなれるって」

 ただ取材から3日後、日本プロボクシング協会と日本ボクシングコミッションは、4月6日に5月末までの全試合の延期を決定。永田の試合は夏を目処に調整中となった。

 さぞ落ち込んでいるだろうと電話をすると、電話口で永田は「どんだけ僕を強くさせてくれるんだ」と笑った。

「本当に言葉を選ばなければいけませんが、この情勢です。世の中的にも試合どころではない。もし5月に試合が行なわれても、知り合いを呼ぶこともできなかった。でも、もし(新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かい)夏に試合ができる状況になっているなら、安心して『試合を見に来てください』と呼べます。その日までに、もっと強くなれると思って練習を続けます」

4 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る