コロナはプロボクサーへの影響も大。それでもブレないひとつの想い (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 スパーリングなどの練習は極力行なわないなど、以前のような練習はできない。不便さはもちろん、収入面では大きなダメージをすでに受けていた。永田は昼間、三迫ジムの営業時間外にジムのスペースを借り、パーソナルトレーナーをして収入を得ていた。現在、パーソナルトレーニングがまったくできず、収入は激減している。

「日本チャンピオンクラスもバイトや仕事をしているのが普通ですからね。だから、キツイといえばキツイですけど、みんな同じ。それよりも、スポンサーになっていただいている人の多くが飲食店をされていて、いつもお世話になっているので、こんな状況だからこそ、少しでも何かお手伝いできればと思うんですが、今は『美味しいですから、ぜひ行ってみてください』と言うこともできない。力になりたいのになる術がないのは口惜しいですね」

 永田の経歴を簡単に紐解くと、14歳からボクシングを始め日章学園卒業後に自衛隊へ入隊。1961年の創立以来、143人ものオリンピアンを輩出した自衛隊体育学校でボクシングを続け、オリンピックを目指した。

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