どうなる、井上尚弥の次戦の行方。
早くて夏前の実施、日本開催の声も

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 英国ではすでにエディ・ハーン・プロモーターが、イギリスの衛星放送『スカイ・スポーツ』とともに"小興行シリーズ"を計画しているという。アメリカでも、CDCが自粛の対象となるイベントの人数を「50人以上」から「100人以上」くらいまで緩和した場合、無観客興行を行なえる可能性が出てくる。

 早めに準備を進め、MLBやNBAがまだ再開の手順を踏んでいるであろう時期(5月下旬~6月頃?)に興行が打てれば、他のスポーツの準備が整い始める夏場以降よりも大きな注目を集められる、という考え方もできる。

 もちろん、そこに辿り着くまでには多くの壁を乗り越えなければいけない。全米的な自粛ムードの中で、再開を急ぎすぎれば反発も大きいはずだ。

 興行に深く関わる人間には、ウイルス検査の義務づけが必須。諸事情を考えれば、井上のような外国人選手を起用することがより難しくなったのは事実だろう。筆者も、井上の試合を早期にアメリカで実施すべきと考えているわけではないし、「次戦は日本開催でもいいのでは」という声が出てくるのもうなずける。

 現時点で言えるのは、「比較的早い時期に、アメリカでまたボクシングが見られるようになる可能性はゼロではない」ということ。そんな可能性が、ファンにとっての希望であり活力になる。災害時にはスポーツが心の拠りどころになってきたアメリカにおいて、ボクシングがその先陣を切れれば、インパクトは絶大だろう。

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