「どん底まで落ちた」土性沙羅が勝者。敗者・森川は伊調馨に肩を抱かれた (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 16歳で全日本選抜選手権を初めて制した土性は、21歳でオリンピック金メダルを獲得。2017年もアジア選手権と世界選手権で優勝し、吉田沙保里や伊調馨(ALSOK)の跡を継ぐエースとして日本女子レスリングをリードしてきた。

 だが2018年、日本で行なわれたワールドカップ国別団体戦で左肩を負傷。手術後は復活を果たし、2018年全日本選手権、2019年全日本選抜選手権を制したものの、吉田沙保里の父・栄勝直伝の鋭いタックルは影を潜めるようになった。

 2019年9月の世界選手権では、オリンピック出場権は死守したものの、まさかの5位。12月の全日本選手権でも準決勝で森川に2-9という大敗を喫してしまった。

「どん底まで落ちた」

 そう語っていた土性だったが、今回のプレーオフは左肩に加え、全日本選手権で負傷した左ひざに痛み止めの注射を打っての出場となった。だが、「自分で取ってきた枠を、ほかの人に渡してなるものか。死にもの狂いで練習してきました。人生をかけて戦います」と、気合十分で試合に臨んだ。

2 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る