井上尚弥に「つけ入る隙」。カシメロのプロモーターが後半勝負を予想 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke

昨年11月にタイトル防衛に成功したカシメロ(左)とプロモーターのギボンズ(右) photo by Reuters/AFLO昨年11月にタイトル防衛に成功したカシメロ(左)とプロモーターのギボンズ(右) photo by Reuters/AFLO――「井上も彼のような選手とは対戦したことがない」とのことですが、具体的にカシメロ選手のどんな部分が独特なのでしょうか。

「井上の能力に疑問の余地はありませんが、彼がこれまでに対戦した最強の相手は37歳のドネアです。全盛期をはるかに過ぎた今のドネアには、もはやカシメロが持っているキラー・インスティンクト(手ごわさ)、若さ、勢いはありません。その相手に井上は苦しみ、年間最高試合を獲得するほどの激闘を演じました。あの試合を見たカシメロは、『自分ならドネアがやり遂げられなかった仕事を果たせる』と自信を深めたはずです」

――能力的な意味で、井上選手につけ入る隙はどこにあると思いますか?

「井上は"モンスター"という呼称に相応しい選手ですが、ディフェンス面に問題があると考えています。ドネア戦でも打ち込まれる場面が見受けられ、今回の試合でもそこがつけ入る隙になるでしょう。カシメロはパワーに加えてディフェンス力も備えており、総合力の高い選手。井上のパワーはとてつもなく、ディフェンス面の不安を補って余りあるものがあるのは事実です。ただ、カシメロが最初の数ラウンドをしのぎ、体が温まってくれば十分に対抗できると私は見ています。最終的には、カシメロのディフェンス面の狡猾さが井上を苦しめることになるでしょう」

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