比嘉大吾、669日ぶりのリング。支えた長谷川穂積と内山高志の助言 (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Jiji Photo

「困ったことがあれば、相談にのるから」

 たとえば、元世界チャンピオンの内山高志。内山は、練習を再開したものの、なかなかモチベーションが上がらずくすぶる比嘉を、豪快に笑い飛ばした。

「焦る必要はない。俺が世界チャンピオンになったのが30歳。大吾は24歳!? 焦らなくても世界チャンピオン100回防衛できるよ」

 また、以前から親交のあった、小出義雄は亡くなる数日前にこう言った。

「比嘉くんはもう1度、世界チャンピオンにならなければダメだ」

 そうして紆余曲折の果て、669日ぶりにたどり着いた復帰戦のリングだった。

 試合後、記者に今後について聞かれると、不器用すぎる比嘉は本音を隠そうとはしなかった。

「2年休んで、またかと思われるかもしれませんが、ここでちゃんと一回、気持ちを整理しておかないと。このまま続けても、チャンピオンにはなれない。ただ、どこかで自分に期待していない自分もいる。今後、モチベーションが上がらなかったら辞めようとも思っている」

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