村田諒太の空前のビッグマッチに現実味。本命カネロ、次候補ゴロフキン (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 山口裕朗●撮影 photo by Yamaguchi Hiroaki

 ただ、かなり前から来日戦を希望している、ゴロフキンという贅沢な"第2候補"がいるのも村田の強み。また、帝拳ジムの本田明彦会長が、トップランク社、DAZN USA、カネロを抱えるゴールデンボーイ・プロモーションズといった、カギを握るすべての関係者と良好な関係を築いていることも忘れるべきではない。関わるすべてのものにメリットが大きいカネロ、ゴロフキンの来日戦は、もう手が届く位置にあるのだ。

 バトラー戦の第5ラウンド――。村田が放った左フックでバトラーが倒れ、横浜アリーナが大歓声につつまれた瞬間、日本ボクシング史上空前のビッグマッチに向けた巨大な歯車が、ゴトリと音を立てて動き始めた。

 本田会長によると、ターゲットがカネロなら来年の5月で、ゴロフキンなら6月になる見通しだという。マイク・タイソン(アメリカ)がジェームズ・バスター・ダグラス(アメリカ)の前に沈んだ、歴史的な世界ヘビー級タイトル戦からちょうど30年となる2020年。東京ドームは本当に再びビッグファイトの熱気に揺れるのだろうか。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る