2019.11.21

井上尚弥の世界戦略シナリオを予想。
「禁断カード」など次戦の相手は?

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Nikkan Sports/AFLO

【周辺階級のスターたち】 
・WBC世界スーパーフライ級王者 ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ/29歳/40勝(27KO)3敗)
・WBO世界フェザー級王者 シャクール・スティーブンソン(アメリカ/22歳/12 戦全勝(6KO))
・WBA、WBC、WBO世界ライト級王者 ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ/31歳/14勝(10KO)1敗)

 少々残念なのは、ここまで名前を出した選手たちとの対戦は「マニア垂涎の好カード」ではあっても、一般のスポーツファンの興味を惹きつけるマッチアップとは言えないことだ。周辺階級には、井上を一気に世界的スターダムに押し上げるほどのライバルは少ない。そんな中で、唯一の例外と言えるのが、稀有なスキルと実績を誇る一階級下の実力派王者、エストラーダだろう。

 エストラーダも、現時点でスーパースターとまでは呼べないが、最高級にリスペクトされている選手であることは間違いない。階級、プロモーターの違いもあり、現状ではリアリティーがあるとは言えないものの、井上との”パウンド・フォー・パウンド・トップ10対決”は垂涎のカードだ。

また、エストラーダはメキシコ人であることも魅力。マニー・パッキャオ(フィリピン)にとってのファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)のようなライバルとして確立すれば、井上の知名度は世界に広まることになるだろう。

 今後、往年のパッキャオのような大ブレイクを目指すなら、フェザー級より上で戦うスティーブンソン、ロマチェンコに挑むといった”冒険マッチメイク”も必要かもしれない。このふたりはどちらもトップランク社所属。サイズの違いからも現実性は低いだろうが、以前、プロモーターのボブ・アラム氏は「フェザー級でのロマチェンコvs井上」に言及したことがある。井上が圧倒的な強さで勝ち続けた場合、そんな破天荒なマッチメーク構想も現実味を帯びてくるかもしれない。

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