2019.11.06

米識者6人が井上尚弥の圧勝を予想も
WBSS決勝で気をつけるべきこと

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yamaguchi Hiroaki/AFLO

Q2 逆に、ドネアが井上に勝つためにやるべきことは?

フィッシャー ドネアは「勝つためにはKOが必要」と意識しすぎてはいけない。井上相手にKOを狙いすぎれば、(WBSSの準決勝で)左フックに左フックを合わされてあっさり倒された、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)の二の舞になってしまう。

 ドネアの最大の武器も左フックだが、打つ時に顔面が空きがちなので注意が必要だ。一発を狙うよりも、左右に動き回ること。井上はすばらしい選手だが、動く相手にプレッシャーをかける能力は最高クラスとは言えない。それを考慮した上で、経験を生かし、丁寧に距離を取り、パンチを打ち込む隙を伺うべきだ。

プグマイヤー ドネアにチャンスがあるとすれば、アウトボクシングを徹底できた時だろう。もちろんドネアには、今でも試合の流れを変えられるパワーがある。しかし、井上のとてつもない才能を考えれば、ドネアが長いラウンドにわたって完璧にアウトボクシングをしながら、強烈なパンチも当てることは簡単ではないからね。

ヘルナンデス ドネアの最大の武器は、今も昔も左フック。井上が警戒しなければいけないのはそれだけだろう。正直なところ、現在のドネアの左フックが当たったとしても、井上にダメージを与えられるかはわからない。いずれにしてもドネアの勝機は極めて薄く、酷い負け方をしないことを願うばかりだ。

オッペンハイム ドネアのほうが背が高く、リーチも長い。番狂わせを起こすためには、 井上の周囲をサークルしながらジャブを有効に使い、懐に入らせないようにする必要がある。ジャブを放ち、動く、という作業を繰り返す。非常に体力を使う作業だが、破壊力抜群の井上のコンビネーションを避けるためには必須だ。

 井上はパンチを避けるために真っ直ぐ下がることがあるから、そこでフェイントをかけ、左フックか右ストレートを狙うのもいいだろう。勝利のカギとなるのは、井上を真っ直ぐに下がらせ、適切な防御をさせないこと。その策に成功し、いいパンチをどこかで入れることができれば、井上も簡単には飛び込めなくなるのではないか。

ナム ドネアが、武器である左フックを当てなければいけないことは、誰でも知っている。ただ、より優れた反射神経を持つ井上に対し、実際にやり遂げるのは極めて難しい作業だろう。

サンガリア 左フックが得意なのは誰もが知っていることだが、右パンチも有効に使っている試合では、ドネアは対処がより難しい選手になる。2012年に対戦した西岡利晃(帝拳ジム)も左フックを警戒し、最後は右で倒されてしまった。今戦でも右ストレートを戦術にうまく組み入れ、井上に警戒させることができたら、ドネアにチャンスが出てくる。