2019.08.14

アトランタ五輪柔道代表、
中村三兄弟がずらりと並んでメダル獲得

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

「休憩もあったので、準決勝からは普通に戻った」と言う行成は、準決勝では彼本来の強気な試合運びをできなかったものの、開始1分ほどで相手に指導が出る展開になると、ラスト20秒で"有効"を取って優勢勝ち。決勝進出を決めた。

 決勝は、前年の世界選手権で負けているウド・クエルマルツ(ドイツ)との対戦。クエルマルツは準決勝までのすべてを開始3分以内で一本勝ち、と絶好調だった。それでも、その対戦は互いに「攻め込めない」「攻め込ませない」大接戦になり、両者に"指導"が2回出る緊迫した試合展開に。結局、最後は旗判定となり、1対2で敗れて行成は銀メダルに終わった。

「弟が今までやってきたことをすべて出して金メダルを獲ったので、自分も負けられないと思い、最後まで力を出し切りました。昨年の世界選手権では(自分の)柔道をやらせてもらえなかったけれども、今回はいい試合ができたと思います。弟に、『お前に負けたな』と言ったら、笑われました」

 そう言って、行成は苦笑した。その行成と兼三の試合中には、国内の大会と同じように観客席から長男・佳央の大きな声の指示が出続けていた。兄弟3人全員で勝ち取った金(兼三)、銀(行成)2つのメダルだった。

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