亀田和毅が断られ続けた相手と統一戦。
条件すべて呑んで「ものにする」

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

----具体的なファイトプランは明かしてもらえないとは思いますが、話せる範囲で、どういった戦い方をしたいと考えていますか?

「作戦の内容を言うことはできないです。いずれにしても、試合のリングに上がってみないとわからないですし。リングに上がってゴングが鳴ってみないと、作戦どおりにいくのか、相手がどう試合に入ってくるかもわからない。自分も38戦のキャリアがあるし、世界戦も何回もやっているんで、どうこようが対応はできると思っています」

----昨年11月のアビゲイル・メディナ(スペイン)戦では、途中からあえて接近戦をやったようにも見えました。さまざまな戦術が必要になりそうなバルガス戦のことも考えたのかな、と少し思ったんですが。

「試合でいろんなスタイルをやっていきたい、という意識はあります。前回はまず距離を取ったんですけど、みんな俺のことを『接近戦はできへんやろ』と考えているんで、接近戦もできるところを見せられたんじゃないですかね」 

----今回のバルガスとの試合が「これまでで一番大事な試合」とも話されていましたが。

「うーん・・・・・・実際には、一番大事だったのはやっぱり最初にフィリピンでチャンピオンになった試合(2013年8月のパウルス・アムブンダ戦:WBO世界バンタム級タイトルマッチ)ですかね。そこから2階級を制覇して、実力があるところは見せられているんで、あとは『アメリカで勝負したい』という気持ちがあります。俺の実力がどこまで通用するかを計りたい。そういった意味で、今回のこの試合はいいチャンスだと思っています」

----これまでのキャリアを少し振り返ると、亀田選手は10代でメキシコにわたり、現地の言葉もマスターし、世界王者にもなりました。そんな日本人ボクサーはなかなかいません。そのことがあまり日本のファンに伝わっていないことにフラストレーションは感じませんか?

「そういうのは全然ないです。自分がやりたいことをやって、それをどう評価してくれるかはお客さん次第なので。ちゃんと結果を出していって、もっともっと認めてもらえるような選手にならないといけない。それだけです」

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