ゴロフキン落城で迫られた方向転換。村田諒太は次戦で劇的KOが必要 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yamaguchi Hiroaki/AFLO

 カネロが2019年も1年3戦のペースで試合を消化するのであれば、対戦相手選びにも柔軟性が出てくる。毎戦、その時点で最強の相手を選ぶわけではなく、どこかのタイミングで村田に白羽の矢が立つことも考えられる。そういった状況で村田が目指すべきは、アメリカ国内での知名度、商品価値を可能な限り上げておくことだ。

 10月20日、日本が誇るロンドン五輪金メダリストは、ラスベガスでロブ・ブラント(アメリカ)とのWBA指名戦に臨む。現時点で言えるのは、この一戦の試合内容がこれまで以上に大切になったということ。「(カネロが)やってもいいというくらいの試合を見せないと」という本田会長の言葉どおり、単に勝って防衛を果たすだけではもう物足りない。分かりやすく、センセーショナルな、アメリカ国内でも話題になる種類のパフォーマンスが村田には要求されるのだろう。 

 ゴロフキン落城と同時に、全米を舞台とした壮大な椅子取りゲームが再び始まった。まだ村田は"カネロダービー"の大穴候補に思えるかもしれないが、たった一戦のインパクトで状況が大きく変わるのが米リングの醍醐味。ここ数戦でさらなる成長が感じられるWBA正規王者には、1カ月後、アメリカン&メキシカンたちを震撼させるような豪快なKO劇を期待したいところだ。

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