7度目で本当の引退? 大仁田厚はジャイアント馬場に一度だけ反発した (4ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Hiraku Yukio/AFLO

 それからも恵比寿のホテルでコーヒーを飲んだりと、気にかけてくれました。ある時は、オレはゴルフをやらないのに、ゴルフショップに連れて行かれて、50万もするドライバーを買わされたこともありました(笑)。あれには参りましたけど、今となってはいい思い出です。

 FMWで電流爆破デスマッチの人気が高まっていた頃、馬場さんに「オレと電流爆破やりませんか。馬場さんとオレが電流爆破をやれば、国立競技場に7万人呼べますよ」と提案したこともあります。馬場さんはひと言、「おい大仁田、それ、痛いのか?」って。そして俺の電流爆破の説明をひと通り聞いた後で、「ジャンボ(鶴田)と三沢(光晴)がなぁ」 と断られてしまって。でも、決して自分がダメだと言わないところが「馬場さんらしいな」と思いました。

 馬場さんからは、「ひとつのことを一生懸命やれ」と教えられました。政治家をやったりしたオレの人生は、馬場さんの教え通りではなかったかもしれません。でも、いつも真ん中にプロレスを置いて生きてきました。

 馬場さんと出会わなければ今のオレはいません。馬場さんが師匠でよかったし、馬場さんと出会えて本当に幸せでした。今もオレの心の中に馬場さんは生き続けています。

(つづく)

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