2018.03.20

高まる「伊調馨」待望論。
激震の女子レスリング、W杯で露呈した弱点

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 まずは入江がリオ銅メダリストに試合開始46秒でフォール勝ちを収めると、53キロ級・奥野春菜(至学館大)と向田が連続勝利。57キロ級・坂上嘉津季(かつき/ALSOK)は逆転テクニカルフォール負けを喫するも、川井友香子(至学館大)と川井梨紗子の姉妹が連勝して流れを取り戻す。そして65キロ級・源平彩南(げんぺい・あやな/至学館大)が残り15秒から攻め込み、執念の逆転勝利で10度目の優勝を決定させた。

 地元開催のワールドカップで、日本女子レスリングは改めて強さを証明できた。なかでも50キロ級・53キロ級・55キロ級の軽量級は、誰が出場しても磐石の強さを発揮したと言えるだろう。

 50キロ級には全日本チャンピオンの入江と同2位の五十嵐未帆(至学館大)のほか、今回はメンバー入りしていない2017年世界チャンピオンの須崎優衣(4月から早稲田大)、さらにはリオ金メダリストの登坂絵莉(とうさか・えり/東新住建)も控えている。

 53キロ級は2017年世界チャンピオン(55kg級)の奥野、登坂とリオ代表争いを演じた宮原優(博報堂DYスポーツ)に加え、今大会55キロ級で出場した向田も東京オリンピックでは階級を落として代表争いに参戦する可能性がある。

 代表争い激戦区の軽量級を勝ち抜いた者が東京オリンピックでも栄冠を掴むのはほぼ間違いないだろう。レジェンド吉田沙保里といえども、復帰の隙はないように見える。

 だが、一方で日本のウィークポイントとされてきた点は、今大会でも解消されなかった。

 最重量級の皆川は、昨年の世界選手権で銅メダルを獲得。東京オリンピックでは浜口京子の銅メダル(2008年北京大会)以来となる最重量級メダルを期待されるが、今大会では3試合に出場して全敗に終わった。

 また、中量級の57キロ級は坂上が予選ラウンド2試合で格下相手にテクニカルフォール勝ちしたものの、アジア選手権チャンピオンとの対戦となった決勝戦では序盤に4点をリードしながらテクニカルフォール負けとなった。