2018.03.06

田口良一を支えた怪物との激戦。
「相手は井上尚弥より強いはずがない」

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 写真●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

──最近は、海外に活躍の場を移した日本人選手が高く評価される傾向があります。今後、田口選手も海外で試合をしたいという希望はありますか?

「やってみたいです。これまでの試合で、最も遠い試合会場は大阪でした。国内と海外の試合はまったく別物だと思いますし、アウェーのプレッシャーもすごいでしょうけど、その中で勝てば評価が高まりますよね。去年の木村翔(青木)選手なんて、『圧倒的不利』と言われた中国で世界戦をやって、劇的なKOで勝ったじゃないですか。普通じゃできないことだし、本当にすごいと思います」

──厳しい環境だからこそ、戦ってみたいと?

「井上くんなど例外もありますけど、日本人の世界チャンピオンは国内で試合をすることが多いですよね。『この環境は嫌だな』と感じることがあるので。いろいろな国や場所でやることが、日本人ボクサー全体の評価を高めることにもつながると考えています」

──少し具体的な話をすると、WBO王者のアコスタはニューヨークにファンベースがあるので、田口選手がアメリカの東海岸で統一戦をするのは不可能ではないと思います。 

「それはめちゃくちゃやりたいです! アメリカでアコスタとできるなら、ぜひやってみたいですね」

──ファイトマネーは日本より低く抑えられるかもしれませんし、当然ながら会場は”完全アウェー”になりそうですが。

「相手の応援は気にならないほうなので、試合までにうまくコンディションを保つほうが大切だと思います。いい状態で試合に臨めたら、(アコスタに)勝つ可能性は大いにあるはずです」

──アメリカで3団体統一王者になったらもちろん快挙ですし、日本でも大きな話題になるでしょうね。マッチメークは簡単ではないでしょうが、ぜひそのシーンを見てみたいです。

「アメリカとの時差を考慮すると、直前に現地入りするのではなく、10日前くらいに入らないと厳しいんでしょうね。試合までの準備の仕方とか、慣れていない環境ならではの厳しさはあると思います。その中でいい状態に持っていけて、しかも勝てたら相当な自信になる。リスクはありますけど、勝つか負けるかわからないところでやってみたいです」

──かなり先の話になりますが、いつかボクシングファンが田口選手のことを思い出したときに、どんなボクサーとして覚えておいてもらいたいですか?

「そんなふうに考えたことはなかったんですけど、やっぱり”気持ちで負けない選手”ですね。『どんな劣勢にも、逆境にも屈しない選手だったな』と記憶してもらえるように、これからも頑張っていきたいです」

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