田口良一を支えた怪物との激戦。「相手は井上尚弥より強いはずがない」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 写真●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

──昨年は、田口選手と田中選手が対戦するというニュースが大きな話題となりましたが、田中選手のケガの影響で実現しませんでした。田中選手がそのままフライ級に階級変更してしまったことに、名残惜しさはありませんか?

「当然、試合をやると思っていましたし、田中くんも同じ気持ちだったと思います。『どっちが勝つんだろう』とみんな楽しみにしてくれていたので、僕もしばらくはモヤモヤしていました。彼の階級が変わってしまったのは仕方ないことですし、タイミングの問題なんでしょうね。『縁がなかった』と割り切れて、今はスッキリしています」

──田口選手が階級を上げる可能性は?

「前に比べて体重調整は少しきつくなっています。今は56 kgか57kgくらいですが、普段の体重が60kg前後になると(そこから減量すると)いいパフォーマンスはできないと思うので、そうなったら階級を上げますね」

──しばらくはライトフライ級での試合が続きそうですが、田口選手は実績に比べて知名度が物足りないようにも感じます。  

「みんなに『テレビに出なよ』とも言われるんですけど、それは考えていません。実績をさらに重ねていけばそういう機会も増えるでしょうしね。試合を見た人に認めてもらいたいという願望はすごくあります。そのためには、王者でなくてもいいから強い相手と戦って、勝たなきゃいけない。そういう意味でも、統一戦はメリンドとやれてよかったです」

──そういう試合ほど、タイトルを失うリスクも高くなると思いますが。 

「リスクよりも、メリットのほうが大きいと感じでいます。逃げたと思われるのがすごく嫌なんですよ。2013年に井上くんと対戦することが決まったときも『絶対に勝ってやる』と思っていましたし」

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