パッキャオvsメイウェザーは既定路線か。米識者によるリマッチ実現度 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

Q2 メイウェザー対パッキャオの再戦は実現すると思うか?

サンガリア「メイウェザー戦は実現しなければならない。そうでなければ、パッキャオが戦い続ける意味はない。若さと体格に恵まれ、これから自身の歴史を築き上げようとしているウェルター級のトップ選手(クロフォードやスペンスなど)とのリスキーな戦いに臨む理由もない。パッキャオがやり残した仕事はメイウェザーとのリマッチだけだ」

マシューズ「再戦は行なわれると見ている。互いにとってリスクが少なく、第1戦ほどではないにせよ、大金が転がり込んでくるファイトだからだ。パッキャオとメイウェザーが、同じイベントで何度も"偶然に"居合わせていることは、リマッチへの布石だとしか思えない。何より、ここまでキャリアを積んできたふたりには、他に戦うべき相手は存在しない」

ナム「とてつもない大金が動く一戦だけに、まとまらないとは考え難い。パッキャオの試合やNBAのゲームにメイウェザーが繰り返し現れ、ふたりが顔を合わせていることは、メイウェザーが再戦を盛り上げようとしていると見るのが妥当だろう。一方のパッキャオも、税金滞納問題などが原因でお金が必要。もともと、パッキャオがプレミア・ボクシング・チャンピオンズと契約したのは、メイウェザーと戦うためだったはずだ」

Q3 メイウェザー再戦が行なわれたとして、パッキャオに勝機はあるのか?

サンガリア「パッキャオに勝てるチャンスが生まれるかどうかは、メイウェザーがどんな状態で出てくるか次第。今年42歳になるメイウェザーが激しいトレーニングをこなせるのか。前に出てくるパッキャオのスタイルをかわし通すだけの反射神経を保てるか。パッキャオにもこれ以上の伸びしろはないが、再戦では右肩の故障がないと考えれば、第1戦のときよりも戦力は上かもしれない。メイウェザーにとってパッキャオとの対戦は、日本のフェザー級のMMA選手(那須川天心 )と戦うのとはワケが違う」

マシューズ「ブローナー戦を見る限り、リマッチで結果が変わるとは個人的には思えなかった。『メイウェザーが反射神経とスピードを保っている』という条件つきだが、つんのめるように飛び込んでくるパッキャオは、メイウェザーのカウンターの餌食になるだろう」

ナム「パッキャオにとって不利な予想になることは間違いない。ただ、メイウェザーは何年も世界レベルの選手と戦っておらず、どれだけ衰えているかがはっきりしない。那須川とのエキジビションマッチでは、『太り気味だった』ということ以外はわからなかった。不確定要素は多いが、パッキャオには『よりコンスタントに試合をこなしてきたこと』、『前回と違って右肩が万全であること』といったアドバンテージがあるだけに、再戦が実現したら面白い結果になるかもしれない」

 以上、3人の識者が「実現する」と見ている"世紀のリマッチ"は、前回の対戦とは違う結末が待っているかもしれない。

【パネラー3人のツイッター情報】
●ライアン・サンガリア
(@ryansongalia)
●ウォーレス・マシューズ
(@OysterBayBomber)
●ショーン・ナム
(@seanpasbon)

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