あのレスリング女王が衝撃の惨敗。伊調馨は「早く負けろ」と言っていた (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 男子フリースタイル57キロ級では、今年の世界選手権を制した高橋侑希(ALSOK)が貫録勝ちで天皇杯を獲得。グレコローマンスタイル60キロ級では、五輪後は負け続けていたリオデジャネイロオリンピック銀メダリストの太田忍が世界チャンピオンの文田健一郎(日体大)を破るドラマが生まれた。

 女子では、リオデジャネイロオリンピック金メダリストの土性沙羅(どしょう・さら/東新住建)が68キロ級で大会7連覇を達成。同じく金メダリストの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)も62キロ級で3連覇すると、妹の友香子(至学館大)も59キロ級で初優勝を遂げて「姉妹同時優勝」を達成した。

 そんななか、もっとも注目を集めた女子最軽量50キロ級は意外な結末に終わった。リオデジャネイロオリンピック金メダリストの登坂絵莉(とうさか・えり/東新住建)が途中で棄権し、2017年の世界選手権を制して「東京オリンピックの新星」として期待される須崎優衣(すさき・ゆい/JOCエリートアカデミー/安部学院高)も決勝に駒を進めることができなかったからだ。

 今年1月に左足親指のつけ根を手術した登坂は、9月に復帰したものの10月に左足ひざと左足首じん帯を損傷。しかし登坂は、「前日まで出るかどうか悩みましたが、試合から遠ざかるのが怖かった。試合勘を取り戻したかった」と全日本選手権に強行出場した。

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