【国際プロレス伝】阿修羅・原の身体能力にアニマルは度肝を抜かれた (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 その後も原は、当時182cm・87kgという世界サイズの強靭な肉体と突進力を武器に、日本代表不動のプロップとして活躍。テストマッチに出場した代表選手に贈られるキャップは1976年までに17を獲得した。また、同年には日本人選手として史上初めてラグビー世界選抜チームにも選出されている。

 だが、社会人として仕事と両立しなければならず、ラグビーの練習をする時間が激減。1977年、原が近鉄を退社したとき、同じくラグビー出身のグレート草津にスカウトされて、国際プロレスへ入門することになった。

 鳴り物入りでプロレス界に入ってきた大物新人を初めて見たときの驚きを、アニマル浜口は次のように語る。

「ラグビー日本代表のプロップですから、スクラムの最前線で身体をぶつけて組み合っていたわけでしょ。しかも、世界選抜にも選ばれて。当時の日本人選手としてはあり得ないことでしょう。みんな、いったいどんな選手かと思っていました。

 彼が走っているところを初めて見たとき、ビックリしましたね。まったく身体が上下動しない。180cmを超える巨体が、まるでしっかり根を生やした大木が大地を滑るようにスーッと走る。スピードもありましたしね。衝撃的でした」

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